かんがえちう

かがつく2人の日記

60分

歩いて十五分。電車で三十分。また歩いて十五分。

通勤一時間。定期が一万三千円。

きたし、つれてきたし。一年後とか、二年後とか、就職とか、失業とか、引っ越しとか、病気とか。

今は今日と明日のことで手一杯。今日の晩ごはんで精一杯。これが三日後とか、一週間後とか、一ヶ月後とか。

今日のお昼ごはんは朝作ったうどんと焼きそば。晩ごはんはえのきとにんじんのとりつくね。親心、母親のきもち。

収入のパワーバランス。あと電気代とか、水道代とか、ガス代とか、携帯代とか、口座。所持金。

あ、転出届。

2020.4.3 ひろうひ

越してきて2日。

家の中でさえものの場所がまだ曖昧で、整理整頓もうまくできていない中、明日からは日常に引き戻されようとしている。

それから逃げるかのようにお互いにゲームをしながらゲラゲラ笑い合っている。

昨日の疲れを引きずっていること、2人きりの生活には慣れてきていていることが相まって、今日はそれぞれがそれぞれで明日からに向けて休暇をとっていたような気がしている。

 

「ご飯を作って一緒に食べる」

なんていつぶりだろうか、と考えていた。

この生活が始まってからはずっと一緒に食べていて、献立を考え合ったり、作ってあげたり洗い物をしたりしているのが当たり前になっているけれど、それって今まで僕の中では当たり前じゃなくて。

当たり前のように下膳している自分にびっくりすることもある。

どれだけ周りに甘えて怠惰な生活をしていたか、すごくわかる。

またどれだけ周りが努力していたかも。

 

今もなんだかんだすごく甘えていて、やってくれている姿を横目でみていることが多い。

でも意識して「ありがとう」と言うようにしている。

やってもらうこと、やってくれている優しさが当たり前ではないということをお互いに伝えあって理解していけるように。自分なりに。「ありがとう」は伝えたいし、「ごめんね」も伝えたい。

でも「ごめんね」より「ありがとう」を多くしたいから「ありがとう」は意識していきたいな、と思います。

明日からは仕事始め。

筋肉痛治りますように。

21日

「なんか、ドラマみたいですねー」

全然ドラマとちゃうし、リアルやし。

目の前の貧困。一食80円のカップ焼きそば。一泊2000円のゲストハウス。所持金200円。二駅分の徒歩。セルフカットした髪型。拾ったスーツケース。落ちてたカーディガン。

全部ぜんぶホンマのこと。

元気があればなんでも出来るって言われたけど全くもって元気とちゃうし、情けないって言われてもしらん。

疲れたら無口になるし、いやな時はいやって言う。

カーテン閉める音すらも聞こえてくる部屋でYouTube流してクソデカ声で笑って。ごはんが美味しくて笑顔になって。電車で疲れてねむねむして。お皿洗ってくれてありがとう。

スロースターターやからぼーっとしとるけど考えとる。

方向音痴治してね。あとはなんも言うことない。不機嫌になることなくてすごいすてき。いやなこと我慢できてえらい。でも言ってほしいかもしれんなー。

お互い自分のこと大切にできないけど、お互いのことは大切にできるから、お互いのためになら自分のこと大切にできると思わん? 消費される毎日から抜け出せると思わん?

俺はあんまり優しくないからやさしくできないけどやさしくされて、優しくしたいなーって思うで。そういうこと考えとる。

2020.4.1 仮想現実

「一人暮らしをするなら〜」とか子供の頃から夢見てきたけれど、こんな形で実家を出るとは思わなかったし、そもそもこんな21歳になっているとは予想もしてなかった。

予想通りだったら私はまだ大学4年生、真っ当に生きて恋人とかもいて…という感じだけれど現在そんな予想と理想とは正反対な立ち位置になっている。

借金まみれだし最悪なフリーターと化している訳だ。

そんな中で、今日まで続けてきたTwitter生活で得た縁で、年下の子と無事実家を離れるという運びとなった。

自ら茨の道へと身を投げた訳です。

こう言っちゃ最悪最低ですが、ひとりの時の方が、実家暮らしでいたほうがずーっとずーっと楽なんです。

でも、私は無責任なことはできないという無責任な思いで実家を出て彼と生活することにした、訳です。

思ったよりお金は飛ぶし、もともと貯蓄もないマイナスな私なので悲鳴しか上げられない日々。

人に合わせることが苦手で「共同」「協調」のできない私が、うまくここまで約3週間人と暮らせてきているのは、私の努力ではなくて、彼のおかげでもあると感じている。

この3週間だけで、彼に対してストレスを感じたこともあるから、当然逆もあると思っているけれど、うまく気持ちを伝えたり伝えなかったりしてここまで円満に円滑にきている、と私は感じている。

そうであって欲しい、が9割を占めているが。

そしてこれからもそうであって欲しい。

これから先はどうなるかわからないし、今は私が色々と手を差し伸べている形になっている。

それはいい、私が選んだことだからそれに対して不満がある訳では全くない。

そうではなくて、お互いがこれから手を差し伸べ合えたら、と思う。

今もお金とかそういう面じゃなくても無意識のうちに差し伸べ合っているのは確かで、だからこその今があるわけで。

「お互い干渉しすぎないように」

と釘を刺されてはいるけれど、大事なことと助けて欲しいこと、口に出さずとも発せられるサインを汲み取れたら、と思う。

これもまた理想。思ったようにはうまくいかないことの方が多いのは今までの通り。

でもうまくやりたい、なんだかんだで笑っていたい、それだけが今の想い。

明日の引越し作業に頭が痛い。

寝不足でも頭が痛い。

きっと明日はお互いに無言になる。

不機嫌になることもあるかもしれない。

それらの当たり前のヒトとしての変化にまだ怯えている私がいる、そこをいつか打破できる関係性と信頼を築けたら……

なんて重いなあ、僕。

これだからメンヘラって言われちゃうんだよね。